フロー体験、子どもの絵の世界(なぜ大人になると時間が過ぎるのが早く感じるのか?⏱その9)

7月に入りましたね。本格的に暑い季節となりました。いかがお過ごしでしょうか。
 
さて今回は、フロー体験、子どもの絵の世界というテーマについて書かせていただきます。
 
「フロー体験」とは、1975年に、ハンガリー出身でアメリカの心理学者チクセントミハイが、日々の生活の中で、いつどんなとき幸せを感じるのか、スポーツ選手や芸術家、研究者にインタビューした際、幾人かが「フロー」(flow)という言葉を「ずっと自分が運ばれているような流れ」というメタファー(たとえ)として使っていたことから、「時間を忘れるぐらいに集中し、対象に没入している心理状態」といった意味として提唱した言葉です。
(※1)
 
なお「フロー」(flow)は、古期英語 flowan(流れる)、 floana(流れる)、 plew(流れる)が語源となっています。
 
似た言葉に、「ゾーン(に入る)」 というものがありますが、私は、サッカー選手が「あの時はゾーンに入っていましたね」などとインタビューに答えているのを、1990年代後半か、2000年代初頭には聞き始めたように記憶しています。
 
何かに集中して、気付いたらすごく時間が経っていたという経験は、どなたにでもあるのではないでしょうか?
 
熱中する対象に注意する必要はあるものの、基本的にはこの状態は、とても幸せな体験だと思われます。
(※2)
 
フロー体験については、さまざまな書籍やサイトでも紹介されていますので、これくらいに留めます。
 
私は、大学2年時のゼミの論文テーマが「子どもの絵の世界」というものでした。
 
約30年ぶりに、当時の参考文献を読み直してみました。
(※3)
 
その頃は、「フロー体験」という言葉はまだ知りませんでした。
 
研究内容としては、子どもの絵はなぜあのように描かれるのか?
 
紙とペン(色鉛筆など)と、自分自身との一致度が、極度に高いのではないか?
(ここが、今でいう「フロー体験」に近いと思うのですね。)
 
また、自分にも思い当たるところがありますが、いつの頃から人(子ども)は「他者の評価」を気にして、「他者の目」を意識して絵を描くようになるのか?
 
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そして、一部の芸術家(ミレー、マレー、ピカソ、岡本太郎ら)の創作態度と、そうした「子どもの絵の世界」はどれくらい一致しているのかということを、作品や著作、述べられたこと(叙述)などから紐解きたい、というものでした。
 
 
残念ながら、この研究内容を教育現場でさらに深める機会は持てませんでしたが、現在、日々事業所内で熱心に訓練をされている利用者さんに接することはできています。
 
「フロー体験」のような状態を、訓練内容や環境、素材の用意などの面からどのように整えることができるかは、現在の課題でもあります。
 
 
※1
Csikszentmihalyi, M. (1975).
Beyond boredom and anxiety: Experiencing flow in work and play.
Hoboken, NJ: Jossey-Bass Publishers.
日本語訳 
『楽しみの社会学』 (チクセントミハイ 著・今村浩明 翻訳 新思索社 2000年)
 
※2
『フロー体験の促進要因と肯定的機能に関する心理学的研究』
(石村 郁夫 著 風間書房 2014年)よりp.18 参照
 
※3
『子どもの絵の世界―なぜあのように描くのか (育ちゆく子ども 0才からの心と行動の世界 5)』 (ジャクリーン・グッドナウ 著・ 須賀 哲夫 翻訳 1979年)
 
 
 
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